更年期障害に効く漢方:ホットフラッシュや気分の落ち込み

更年期障害に効く漢方:ホットフラッシュや気分の落ち込み

更年期障害は、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量が低下することにより、心身に様々な不調が現れる状態です。ホットフラッシュ(ほてり、のぼせ)、気分の落ち込み、不眠、動悸、めまい、肩こり、冷えなど、症状は多岐にわたります。これらの症状に対して、漢方薬は体質を改善し、根本的な不調の緩和を目指すアプローチとして注目されています。

ホットフラッシュと気分の落ち込みに対する漢方薬

ホットフラッシュや気分の落ち込みは、更年期障害の代表的な症状です。これらの症状に効果が期待される漢方薬は、個々の体質や症状の現れ方によって異なります。

ホットフラッシュへのアプローチ

ホットフラッシュは、急に顔や体が熱くなったり、発汗したりする症状です。これは、自律神経の乱れが大きく関わっていると考えられています。漢方では、体内の熱のバランスを整えることや、気血(きけつ)の巡りを良くすることが重要視されます。

  • 加味逍遥散(かみしょうようさん)
    • 効能・効果:体力中等度で、のぼせ感があり、足冷え、ときに動悸、便秘、あるいは肩こり、頭痛、めまいなどを伴うものの、冷えのぼせ、頭痛、肩こり、めまい、動悸、便秘、月経不順、更年期障害、血の道症(月経、妊娠、出産、産じょ、更年期などによる体調不良)、神経症。
    • 体質:比較的体力があり、イライラしやすい、感情の起伏が激しい、肩こりや頭痛、のぼせ、冷えなどの症状がある方に適しています。
    • 作用機序:気の巡りを良くし、ストレスやイライラを鎮め、血行を促進する作用があります。これにより、ホットフラッシュやそれに伴う精神的な不安定さを和らげます。
  • 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
    • 効能・効果:比較的体力があり、のぼせ気味で、足が冷えるものの頭痛、めまい、肩こり、動悸、ときに便秘、比較的浅い眠。
    • 体質:瘀血(おけつ)(血の滞り)がある方に用いられます。顔色がやや悪く、下腹部に圧痛があり、冷えとのぼせが混在するような症状に効果的です。
    • 作用機序:瘀血を改善し、血行を促進することで、のぼせやほてり、肩こりなどを緩和します。
  • 清心蓮子飲(せいしんれんしいん)
    • 効能・効果:体力がなく、疲れやすく、顔色が悪く、貧血、気、血の道(月経、妊娠、出産、産じょ、更年期などによる体調不良)あるいは、頭痛、めまい、肩こり、冷え、しびれ、動悸、頭、腹、腰、下肢などの疼痛。耳鳴り、めまい、動悸、頭痛、肩こり、冷え、しびれ、不眠、動悸。
    • 体質:体力が低下し、疲れやすく、冷えやほてり、動悸、不眠などの症状がある方に適しています。
    • 作用機序:腎の陰を補い、熱を冷ますことで、ほてりやほてりに伴う、不安感、不眠などを改善します。

気分の落ち込みへのアプローチ

気分の落ち込み、抑うつ感、イライラ感などは、精神的なストレスやホルモンバランスの乱れが原因で起こることが多いです。漢方では、気の滞りを解消し、精神を安定させることが重要視されます。

  • 加味逍遥散(かみしょうようさん)
    • 上述の通り、イライラや精神的な不安定さに効果があります。
  • 抑肝散(よくかんさん)
    • 効能・効果:体力があり、比較的、気分がすぐれず、ときにみぞおちのつかえや動悸、消化が悪いものの、神経質、不眠、小児の疳(かん)、夜なき、ひきつけ、更年期障害。
    • 体質:神経質でイライラしやすい、怒りっぽい、不眠、落ち着きがないといった症状がある方に適しています。
    • 作用機序:肝(かん)の気(き)の滞りを解消し、精神を鎮静させることで、イライラや不眠、不安感を和らげます。
  • 香蘇散(こうそさん)
    • 効能・効果:体力は中等度で、脈に沈がみがあるものの、風邪の初期、頭痛、寒気、
    • 体質:体力が低下し、気がめい、気分が沈み、憂鬱な気分になりやすい方に適しています。
    • 作用機序:香(こう)蘇(そ)などの、香りの良い生薬を含み、気の巡りを良くし、精神を賦活させます。

漢方薬を選択する上での注意点

  • 体質の見極め
    • 漢方薬は、証(しょう)と呼ばれるその人の体質や現在の状態に合わせて処方されます。
    • 自己判断せず、専門家(医師や薬剤師)に相談し、適切な診断を受けることが重要です。
  • 継続的な服用
    • 漢方薬は、即効性よりも体質改善を目指すため、効果を実感するまでに時間がかかる場合があります。
    • 根気強く、継続して服用することが大切です。
  • 副作用と相互作用
    • 漢方薬も医薬品ですので、副作用が現れる可能性があります。
    • 他の医薬品との相互作用も考慮する必要があります。
    • 服用中に気になる症状があれば、すぐに医療機関に相談してください。

漢方薬以外のセルフケア

漢方薬による治療と並行して、生活習慣の見直しも重要です。

  • バランスの取れた食事
    • 大豆製品(イソフラボン)、緑黄色野菜、魚介類などを積極的に摂りましょう。
    • カフェインやアルコールの摂りすぎは控えめに。
  • 適度な運動
    • ウォーキングやヨガなど、無理のない範囲で継続できる運動を取り入れましょう。
    • 血行を促進し、ストレス解消にも効果的です。
  • 十分な睡眠
    • 規則正しい生活を心がけ、質の良い睡眠を確保しましょう。
  • リラクゼーション
    • アロマテラピー、入浴、趣味などを通じて、心身の緊張を和らげる時間を作りましょう。

まとめ

更年期障害によるホットフラッシュや気分の落ち込みは、つらい症状ですが、漢方薬は体質から改善し、症状の緩和を目指すことができます。加味逍遥散、桂枝茯苓丸、清心蓮子飲、抑肝散、香蘇散などが代表的な処方ですが、ご自身の体質や症状に合った漢方薬を選択するには、専門家の診断が不可欠です。日頃からバランスの取れた生活を送ることも、症状の軽減に繋がります。一人で悩まず、専門家に相談し、ご自身に最適なケアを見つけていきましょう。